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MedCalc

非線形回帰の例題:4 パラメーターロジスティックモデル

データ

この例では、次のデータに 4 パラメーターロジスティックモデルを当てはめます。

非線形回帰の例題 - データ

4 パラメーターロジスティックモデルの式は次のとおりです。

4 パラメーターロジスティックモデル - 式$$ \operatorname{F}(x) = d + \frac {a-d} { 1 + \left(\frac{x}{c} \right)^b } $$

これは次のように書くこともできます。

F(x) = d + ( a − d) / (1 + (x/c)^b)

ここで、

  • a = 最小漸近線。標準曲線を用いるバイオアッセイでは、標準濃度 0 における反応値と考えることができます。
  • b = Hill 係数(Hill の傾き)。Hill 係数は曲線の急峻さを表します(正の値にも負の値にもなります)。
  • c = 変曲点。変曲点は、曲線の曲がる向き、すなわち曲率の符号が変わる曲線上の点として定義されます。c は y=(a+d)/2 となる用量です。
  • d = 最大漸近線。標準曲線を用いるバイオアッセイでは、標準濃度が無限大のときの反応値と考えることができます。

4 パラメーターロジスティックモデル - グラフ

散布図

まず、Response を従属変数 Y、Dose を独立変数 X とした散布図を確認します。散布図には LOESS 平滑化の傾向線を描きます。ダイアログボックスには次のように入力します。

非線形回帰の例題 - 散布図のダイアログボックス

その結果、次の散布図が得られます。

非線形回帰の例題 - 散布図

このグラフから、4 パラメーターロジスティックモデルのパラメーターの初期値を推定できます(下記参照)。

非線形回帰

まず回帰式 d+(a-d)/(1+(x/c)^b) を入力し(「y=」の部分は入力する必要はありません)、Response を従属変数 Y、Dose を独立変数 X として選択します。

非線形回帰の例題 - ダイアログボックス

収束許容差と最大反復数は既定値のまま変更しません。近似曲線を含む散布図と残差プロットを表示するオプションを選択します。

初期パラメーター

方程式からパラメーターを取得をクリックすると、MedCalc は式からパラメーター名 d、a、c、b を抽出します。

非線形回帰の例題 - 方程式からパラメーターを取得

次に、各パラメーターの初期値または最良の推測値を入力する必要があります。上の散布図は、次の推定値を求めるのに役立ちます。

  • d は上側の漸近線で、Response 変数の最大値である約 25 と推測します。
  • a は下側の漸近線で、Response 変数の最小値である約 0 と推測します。
  • c は変曲点(最大反応の半分が得られる用量)で、反応が中間の反応に最も近い用量である約 18 と推定します。
  • b は Hill 係数で、最初の点と最後の点を結ぶ直線の傾きで推測します。傾きは Δy/Δx、すなわち (24.2-0.1)/(52.2-0) で求められ、約 0.5 になります。

これらの数値を対応する入力フィールドに入力します。

非線形回帰の例題 - パラメーターの初期値

便利な関数

MedCalc には、パラメーターの初期値を求めるための汎用的な方法となる便利な関数がいくつか用意されています。

  • d には Response 変数の最大値を用いるので、式 VMAX(&Y) を使用できます。VMAX(変数) は変数の最大値を返します。MedCalc は記号 &Y を、ダイアログボックスで選択した従属変数 Y、すなわち Response に置き換えます。したがって、VMAX(&Y) は Response 変数の最大値を返します。VMAX 関数を参照してください。
  • a には Response 変数の最小値を用いるので、式 VMIN(&Y) を使用できます。VMIN 関数を参照してください。
  • c は、反応が中間の反応に最も近い用量にほぼ等しくなります。これは Dose 変数の平均で近似できるので、式 VAVERAGE(&X) を使用できます。MedCalc は記号 &X を、ダイアログボックスで選択した独立変数 X、すなわち Dose に置き換えます。したがって、VAVERAGE(&X) は Dose 変数の平均値を返します。VAVERAGE 関数を参照してください。
  • b は傾きで、関数 VSLOPE(&X,&Y) で推定できます。VSLOPE 関数を参照してください。

これらの式を対応する入力フィールドに入力します。

非線形回帰の例題 - パラメーターの初期値

これで準備が整ったので、OK をクリックします。

結果

モデルのパラメーターを求めるために、MedCalc は Levenberg–Marquardt の反復手順(Press et al., 2007)を使用し、次の結果が得られます。

非線形回帰の例題 - 結果

結果の表から、収束基準を満たしたため、つまり残差標準偏差をそれ以上小さくできなかったため、手順が 72 回の反復後に停止したことがわかります。

続いて初期パラメーターが一覧表示されます。式 VMAX(&Y)、VMIN(&Y)、VAVERAGE(&X)、VSLOPE(&X,&Y) により、d、a、c、b についてそれぞれ 24.2、0.1、15.6778、0.5116 の値が得られました。これらは、散布図の観察に基づく私たち自身の推定値 25、0、18、0.5 にかなり近い値です。

次に、サンプルサイズと残差標準偏差が報告され、続いて回帰式と回帰パラメーターの計算値が示されます。

たとえば、変曲点 c は 19.3494 と推定され、標準誤差は 0.5107、95% 信頼区間は 18.0365~20.6623 です。

分散分析表に続く F検定では、P 値は 0.0001 未満です。F検定は、回帰式の全体的な当てはまりに対する近似的な検定です(Glantz & Slinker, 2001)。P 値が小さいことは、当てはまりが良いことを示しています。

散布図と近似曲線

このグラフには散布図と当てはめた非線形回帰曲線が表示され、近似曲線が観測データとよく一致していることがわかります。

非線形回帰の例題 - グラフ

残差プロット

この残差プロットでは、データに外れ値は見られず、特定のパターンも見られません。したがって、残差プロットからはモデルに問題があることは示されません。

非線形回帰の例題 - 残差プロット

文献

  • Glantz SA, Slinker BK (2001) Primer of applied regression & analysis of variance. 2nd ed. McGraw-Hill.
  • Press WH, Teukolsky SA, Vetterling WT, Flannery BP (2007) Numerical Recipes. The Art of Scientific Computing. Third Edition. New York: Cambridge University Press.

関連項目